小刻傷寒論

正徳五年(1715)、香川修庵(かがわしゅうあん)により刊行。金代の成無已の『註解傷寒論』(現存する傷寒論の註解書としては最も古い)を底本とし、その条文の註解と薬物の修治の記述を去って傷寒論の原文だけを抜粋編述した。写真の通り条文を一条ごとに分けず、全文をべた組みで通しているためやや読みにくいのと、対校(系統の異なる本を比較して字句の異同を調べること)がなされていないのが欠点だが、安価で携帯に便利ということで江戸時代最も不及した傷寒論のテキストである。現在でも携帯の利便性は失われていない。日本の傷寒論の註解書の多くは、本書を底本としている。