表裏

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病む部位をあらわしたもの

表裏(ひょうり)とは文字通り表と裏でありまして、これは病の病む部位をあらわします。
近年レントゲンに替わって、MRIなどの画像診断装置が使われるようになりましたが、あのMRIの画像の、胴体を輪切りにした状態を想像してください。あの胴体の外側が表(ひょう)で、内側が裏(り)となります。もう少し具体的に説明しますと次のようになります。

表…身体の表面、すなわち皮膚のあたりを指す
裏…身体の裏面、すなわち消化管の辺りを指す。また胃と称することもある

体表に現れる症状としては、頭痛、肩こり、節々の痛み、発熱、悪寒などがあげられます。これらの症状を表証(ひょうしょう)といいます。一方消化管の辺りの症状としましては、腹満、便秘、嘔吐などがあります。これらは裏証(りしょう)と称します。
したがってこれらの具体的な症状を整理することによって、表と裏のどちらの部位が病んでいるかを把握することができます。実は傷寒論ではこの他に内(ない)と外(がい)という概念が存在するのですが、煩雑で解釈が一定していないので、ここでは省略しておきます。

通常病は表証(ひょうしょう)に始まり、次第に裏証(りしょう)へと移っていきます。表証においては、病は体の表面にあるので、傷寒論では、これを発汗(はっかん)という行為でもって、病邪を表面から外に追い出してやることで治そうとします。桂枝(けいし)や麻黄(まおう)といった生薬(しょうやく)が使われます。
反対に裏証においては、病は体の内部にあるので、発汗などでは届きません。そこで消化管の奥深くにある病者を取り除くため下剤をつかうのです。大黄(だいおう)や芒消(ぼうしょう)といった生薬が使われます。ここまでは陽病での治法ですが、これが陰病(いんびょう)になると、病の所在はもっぱら裏にあり、しかも陽病とは反対に症状は下痢などになりますので、下剤を使わずにひたすら温めるということになります。

〔画像/表裏と病位の関係〕

 
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