古代中国の古典医学

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〔画像/中国大陸と三大文化圏の関係〕

中国大陸と三大文化圏

漢方医学の源流は古代中国医学にあり、それらはおおよそ漢代から三国六朝時代に完成しました。漢方を学ぶ際、中国の古典医学は基本であります。その古典医学の内容と伝来を考察するとき、中国大陸の地理的条件と風土、そしてそこでの文化を無視するわけにはいきません。

中国大陸の広大さは世界地図を広げてみると、ヨーロッパ大陸がすっぽり入ることからも分かるとおり、日本とはスケールがまるで違います。それぞれの地域に全く異なる気候風土があり、それに伴う思想文化が発生してきました。このことは古代中国の医学の特長と密接に繋がっています。

中国の東方の地は海浜に接し、漁業を主として魚と塩を多く食べていました。一方西方は不毛の山岳地帯で、狩猟や鉱業を主とし、気候は激変しがちで、そのために厚衣美食をする傾向にありました。また北方は高原で寒く、住民は遊牧の民で、食物は乳肉を主としていました。南方は湿気の多い平野で、農耕を主とし、高温多湿で、穀物を主食としました。そして中央部は交通に便な平原で、湿気が多く、人々は集落をなして生活したため、他の地域に比べ肉体労働よりも精神労働が多くありました。

このような地理的条件のなかで発生した古代中国医学は、三系統に大別することができます。北から順に「黄河文化圏」「揚子江文化圏」「江南文化圏」の三つであります。これら三大文化圏は、それぞれに代表的な古典を今に残しております。『黄帝内経』『神農本草経』『傷寒雑病論』です。どれも現今伝わっているものは、もちろん当時とは隔たりがありますが、それでもなお漢方研究家の必読書であることには変わりありません。それぞれに独特の世界観に裏打ちされた治療法が記されており、後世に影響を与えています。

次にその三大古典を一つ一つ見ていきましょう。


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