今春流行した急性頸部リンパ腺炎
川浦直子
(埼玉県上里町)

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家族症例

男子 160p 45s

 

平素は小建中湯服用

昨夜から右耳下が痛むと、朝食時、訴えた。級友がオタフクで、二週間程欠席しているそうだ。部活を休み早く帰宅するように言って送り出した。学校から、オタフクか否かの診断を受けるよう指示され、町内の西洋医受診。現状態では、オタフクか扁桃炎か、不明とのこと、何れにせよ「対症療法」しかないとのことで、抗生物質と消炎鎮痛剤が処方された。

漢方的所見では、この日二便に異常なく、脈浮数、無汗、項背強。発病初日であることから、葛根湯エキスを投じた。オタフク、扁桃炎、リンパ腺炎の何れであれ、加桔梗(石膏)としたいが、加える分量不明のため、翌日田畑先生に、お伺いすることにした。 先生のお話によれば、次のようであった。

  1. 胃内停水型の葛根湯証には、加半夏とする
  2. 桔梗は3g、これで方中の甘草を得て桔梗湯の方意を得る
  3. 胃腸虚弱者に、石膏は止めた方がよく、また男子の場合、抗生物質も兼用した方がよい

早速、葛根加半夏桔梗湯(図参照)を投じ、オタフクか否かを確認すべく、別の西洋医を受診、急性頸部リンパ腺炎で、四つ腫れているとのこと。

この日熱37.8度、不大便。翌日(三日目)、朝から熱38.4度、更に腫痛を増し、脈の緊張も良く、当然同じ薬方。更に翌朝は、熱38.7度、不大便、腫痛共に最大、渇もあり、加石膏としてみたいが、同じ薬方を投じ、様子を見る。

昼頃自下痢、しかし激しい水様便のため、親子共にうろたえ、またお伺いの電話をかけた。あと二日、葛根湯加半夏桔梗湯で押し気味にするようご教示をいただき、一安心。自下痢で少しバルプが、ゆるんだせいか、就寝前には熱37.3度、腫痛共に少し減じ、脈も少しゆるんだ。

翌朝(五日目)、発汗、脈は更にゆるみ、熱36.8度、腫痛共に大幅に減じた。更に、翌日には白苔が障子、法則通り少陽病期へ、のぼせが見られたので柴胡桂枝加桔梗湯を二日。次に、脈弦、どす黒い顔色から小柴胡加桔梗湯を、体質改善を兼ね四、五日投じ廃薬した。

…以下略

『無門』第3号(2004.10.7)より

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